CK協働プロジェクト 事務支援室
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ごあいさつ

京都大学は、自由の学風を継承発展させつつ、多元的な課題の解決に果敢に挑戦し、地球社会の調和ある共存に貢献することを目指しています。この目的を達成するために、3つの大きな使命を果たす必要があります。すなわち,第一は「知の伝承」を通して広く人材を育成する『教育』、第二は最先端の研究課題に取り組み「知の創造」を実現する『研究』、さらに第三はこれらの教育研究活動を通して広く人類社会に価値をもたらす『社会貢献』に努めることにあります。

平成18年度より文部科学省科学技術振興調整費のご支援を受け、「先端融合領域イノベーション創出拠点の形成」プログラムの一環として10年計画で取り組んでいます「高次生体イメージング先端テクノハブ」プロジェクト(略称:CKプロジェクト)は、京都大学の理念を具体的に実践し得る教育研究活動の格好の事例であり、最先端研究と人材育成の成果を創出することにより、人類が希求する「健康社会」の実現に貢献してまいりたいと考えております。

京都大学は、協働機関であるキヤノンとの緊密な連携のもとに、疾病の早期発見に繋がる画像診断技術の領域でイノベーションを創出し、健康社会を実現するという壮大な目標の達成に向け、医学・工学・情報学を融合した研究に鋭意取り組んでまいりました。発足当初から関係各位のご支援とご協力を得て、また京都大学とキヤノン双方からプロジェクトに参画する教員、研究者、技術者、職員の並々ならぬ努力により、すでに数多くの独創的な要素技術を開発しつつあります。幸いにしてその成果により、平成20年度に実施された3年目の再審査に継続採択され、今後さらに研究開発を大きく進展させる機会を得ることができました。

本CKプロジェクトは、研究面での成果を追求するのみならず、京都大学における教育研究の組織改革やシステム改革を促すことも求められており、多面的な使命を担った社会的意義の極めて大きな事業であります。このため京都大学は、本プロジェクトを契機として今後とも大学システムの改革に取り組み、「超高齢社会における健康と生活の質(QOL:Quality of Life)の向上」という近未来の社会が直面する困難かつ喫緊の課題に対して持続的に取組可能な教育研究組織を構築し、新興の医工学融合領域で活躍できる人材を育成してまいりたいと考えています。

京都大学は、本CKプロジェクトを上に述べた京都大学の3つの使命を実現するための先導的事業として位置づけており、ぜひとも成功させる所存です。

最高総括責任者(CEO)
京都大学 総長

 


このプロジェクトは一大学一企業の組合せというユニークな連携モデルで推進されてきました。発足時以来、京都大学の先生方とキヤノンの開発部門が、同等の立場で技術と応用形態を一緒になって熱心に議論をしてきました。京都大学が築いてきた総合的な科学技術の基盤と臨床研究の高い実績に、キヤノンが持っている製品開発の技術力を融合して、医療のイノベーションを果たそうという意気込みが支えとなってきました。

現在、医療現場では、いくつかの画像診断モダリティが高度な先進医療を牽引しているのは衆知のことです。科学技術の新たな進展やiT技術の波及を考えると、次なるモダリティを創出するチャンスが来ています。このプロジェクトには、そうした新たな画像診断技術、モダリティ ’ X(エックス) ’、を提唱して実現しようとする、大変高遙な挑戦があります。

一方で、このプログラムでは、基礎的な研究開発の成果ではなく、具体的な製品を生み出すことで、プロジェクト自体を革新していくことが求められています。シーズ技術の開拓から製品化に至るには、当然のことながらProof-Of-Conceptや臨床試験の実績を示し、モダリティとしての臨床的意義が認められることが必要です。したがって、我々のミッションは、先進的な基礎研究に基づくモダリティ’X’の提唱とそれを構成する技術シーズの確立、さらにはユーザーフレンドリーな製品としてシステムを構築することになります。これらを果たすことによって、イノベーションを生み出す良い循環が出来ると見ています。

プロジェクトは今後製品化と拠点形成に重点が置かれることになりますが、日本発の新規な画像診断モダリティを実現するには、一企業の製品化努力では限度があります。産業としての裾野を考えるならば、相互に補えるコアケイパビリティを持った企業が結集して拠点を形成していく必要があります。キヤノンとしては、現在の厳しい環境を乗り越え、新たな成長に備えるため経営の一層の強化を図って、このプロジェクトを支える決意です。併せて、このプロジェクトが育ててきた技術やコンセプトに賛同していただける企業に参画をいただき、大きな幹に育てていきたいと願っています。

協働機関
キヤノン株式会社